エンジンに戻れない理由。MUR013GZ農家10haの本音レビュー

エンジンに戻れない理由。MUR013GZ農家10haの本音レビュー
目次

農家10年以上のベテランが、なぜ今さらバッテリー式に変えたのか



私は栃木県で水稲10ha、アスパラガス50a、ブロッコリー10aを経営しています。農業歴は15年ほどになります
正直に言います。つい最近まで、バッテリー式の草刈り機を完全に見くびっていました。
農業を始めた頃、当時のナショナルの園芸用バッテリー工具を買ったことがあります。でも、あれはひどかった。パワーがなさすぎて、仕事になるレベルじゃなかった。それ以来、「バッテリー式=力不足」という先入観が頭の中にずっと居座っていたんです。おそらく、同じ思いを持っている農家さんは少なくないと思います。
この記事は、その先入観を完全に壊された話です。
そして、MUR013GZという機械が、私の農業の現場をどう変えたか。体験を正直に書いていきます。

最初に結論を言います。私はもうエンジンには戻れません


長い話を読む前に、結論だけ先に伝えさせてください。
マキタの40Vmaxシリーズ、草刈り機MUR013GZは本物です。カタログスペックの話ではなく、10haを管理するプロの農家として、現場で使い続けた上での話です。
始動のストレスがゼロになりました。2cmのアスパラ残渣が何事もなかったかのように砕けます。そして、1時間作業した後の手が、ほとんど痺れていない。
この3つだけで、私の農業の体験は大きく変わりました。

体験その1。始動の瞬間、15年分の「儀式」が終わった

エンジン式の草刈り機を使っている方なら、あの朝の儀式を知っているはずです。
重い機械を地面に置いて、プライマーポンプをシュッシュッと何回か押して、勢いよく紐を引く。かからなければもう一度。真夏の朝、この作業だけで汗が噴き出します。作業を始める前から、すでに消耗しているわけです。
MUR013GZは、バッテリーを差し込んで電源ボタンを押すだけです。
電源ランプが点いたのを確認して、トリガーを引いた瞬間。猛烈なパワーが立ち上がります。
この「無音からの爆発力」を最初に体感したとき、あ、もうエンジンには戻れないなと直感的に思いました。

過負荷で止まってしまったときも、エンジンとは全然違います。エンジンなら機械を地面に降ろして、また紐を引き直す。MUR013GZなら、一度電源を切って入れ直すだけ。それだけで再始動できます。

体験その2。2cmのアスパラ残渣に「食いついた」あの感触

この機械を本格的に初めて使ったのは、冬のアスパラ残渣整理の時でした。
実は、秋の稲刈り前にエンジン機が不調になってアマゾンで購入したのですが、自分も繁忙期で忙しくなり、そのまま倉庫に眠らせていたんです。
冬になってようやく箱を開けて、アスパラハウスへ持っていきました。
目の前にあったのは、指の太さほどあるカチカチに硬くなった2cm級の残渣です。これまで使っていた18V機でこれをやろうとすると、刃を当てた瞬間に「ガッ」と回転が落ちて、機械が苦しそうな音を上げていました。何度も止まって、何度もやり直す。あの作業の重さを知っている方には伝わると思います。
ところがMUR013GZは、何事もなかったかのようにその茎を砕いていきました。
「切る」というより、強烈なトルクで「なぎ倒していく」感覚です。刃が弾かれることなく、吸い込まれるように進んでいく。「絶対に止まらない」という安心感、これがプロが求めていた本当の地力だと思いました。

18Vでアスパラ残渣をやろうとすると、機械が悲鳴を上げるんですよ。それが40Vmaxだと、あっさり粉砕していく。この差は、使ってみないと言葉では伝わらないかもしれません。

体験その3。作業後の「手の状態」が、全てを物語っていた

40mのアスパラハウスが8棟、約17aをノンストップで刈り終えた後のことです。
8.0Ahのバッテリー(BL4080H)を装着したMUR013GZは、確かにずっしり来ます。重いのは事実です。でも、作業後に自分の手を見て、あれ?と思いました。
いつもなら、エンジン特有の高周波な振動で指先がジーンと痺れていて、軍手を脱ぐのも一苦労でした。それが、ない。手のひらにあの不快な「残響」がないんです。
「重いバッテリーを選んだはずなのに、体はこっちの方が軽いと言っている」
この矛盾した感覚こそ、40Vmaxというシステムの本当の革命だと確信した瞬間です。

なぜ重いのに疲れないのか

エンジン式の疲れの正体は、実は重さだけではありません。あの細かくて速い振動が、1時間かけて手と腕を蝕んでいくんです。いわゆる振動障害というやつです。
BL4080Hのような大容量バッテリーは確かに重い。でも、電動モーターの振動は、エンジンの比ではありません。重さは前腕の筋肉で支えられますが、振動は神経と関節に蓄積していく。どちらが体にとってダメージが大きいか、1時間後の手の状態を見れば答えが出ます。

18Vと40Vmaxの棲み分け、正直に話します

私の農場では、18Vと40Vmaxを両方使っています。40Vmaxだけあればいいかというと、そういうわけでもありません。
18Vの強みは、適用できる機械の種類の多さと、軽さです。噴霧器やブロワーなど、パワーよりも使いやすさが求められる作業には、18Vの方が断然向いています。
40Vmaxの強みは、本気のパワーが必要な作業です。草刈り、特に太い草や残渣が混じる圃場では、40Vmaxでないと話になりません。BL4080Hなら作業時間も長く取れます。

軽作業・噴霧器・ブロワー → 18Vで十分、軽くて取り回しがいい
本気の草刈り・太い残渣処理 → 40Vmaxでないと話にならない
長時間の連続作業 → BL4080H(8.0Ah)との組み合わせが最適

これから買う方へ。私が伝えたいたった一つのこと

「昔のバッテリー工具はダメだった」という記憶がある方、その感覚はもう捨ててください。
今の40Vmaxは、別物です。15年前の私が体験したあの非力な機械と、同じカテゴリーで語るのは無理があります。
農機具屋が繁忙期でなかなか来てくれない、エンジンのメンテナンスに時間を取られる、毎朝の始動作業で消耗する。そういったストレスを、バッテリー式は静かに消していきます。
MUR013GZは、私にとって「買うかどうか悩んだ機械」から「なぜもっと早く買わなかったのかと後悔した機械」に変わりました。
10haの草刈りを戦いと表現するなら、この機械は間違いなく最前線の武器です。

高橋康平 / アグリアップデート
栃木県在住。水稲10ha、アスパラガス50a、ブロッコリー10aを経営するプロ農家。農業歴15年。現場で感じた体感を、正直に紹介しています。

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著者情報

高橋 康平のアバター 高橋 康平 現役農家・アグリアップデート現場検証責任者

栃木県北部でアスパラガスとブロッコリー・米を栽培する現役農家(キャリア22年)。「アグリ・アップデート」の現場検証責任者。重労働な農業をテクノロジーで変えるべく、マキタ製品をはじめとする最新農機の自腹レビューを発信。古い農機の「資産価値」に注目した賢い買い換え術を提唱しています。

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