バッテリー工具に、ずっと期待し続けていました
エンジン式の「振動」と「イライラ」が、どうしても苦手でした
農業を始めた頃から、ずっとエンジン式の農具が苦手でした。
パワーがあるのはわかっています。でも、あの振動がどうしても嫌いなんです。重いだけじゃない、振動による疲れが手足の芯にじわじわとたまってくる感覚。それに、少し手こずった拍子にエンジンが止まって、また紐を引いて、かかるまで何度もやり直す、あのイライラ。うまくかからない日は、作業を始める前から気持ちが折れそうになります。
だから私は、電気で動く機械にずっと期待してきました。
バッテリートリマー、コード付きチェーンソー、発電機。試してきた、全部「惜しいけど違う」でした
14〜15年前、最初に試したのはナショナル(現パナソニック)の園芸用バッテリートリマーです。コードレスで動くなら、あの振動とイライラから解放されると思っていました。でも実際に使うと、少し太い茎に当てた瞬間に止まってしまう。アスパラの残渣にはまったく歯が立ちませんでした。
次に試したのが、RYOBIのコード付き電動チェーンソーです。邪魔になっていた木の枝打ち用に導入しました。本体は軽くて、バッテリー機よりはパワーもある。でも、コードが作業を邪魔する。離れた圃場では発電機を持ち出して、そこから電源を引っ張って使っていました。発電機の準備、燃料の管理、騒音。結局、手間という点ではエンジン式と大して変わらない。だんだん使わなくなりました。
それでも、バッテリーへの期待をやめなかった理由
それでも、バッテリー工具への期待はやめませんでした。
パワーがいらない噴霧器だけは、丸山のバッテリー式のものを使い続けていました。除草剤を撒くたびに、いつも思っていたんです。「早く他の機械も、バッテリーで動くようにならないか」と。
その答えが、マキタの40Vmaxシリーズでした。
10haの農家にとって、草刈りは「戦い」です
止まらずに前に進む。それだけが最優先です
少し、私の農場の規模感をお伝えします。
水稲だけで10ha。それにアスパラが50a、ブロッコリーが10a。草刈りが必要な場所は、田んぼの畦、農道の脇、ハウス周り、と挙げれば切りがありません。
草刈りで一番イライラするのは、機械が「止まる」ことです。
太い茎に当たって回転が落ちる。絡まってエンジンが止まる。再始動に手間取る。そのたびに集中が途切れ、ペースが崩れ、時間と体力が奪われていく。「止まらずに前に進む」、これだけが草刈り作業の最優先事項です。そのためにエンジン機を使い続けてきた、という農家は私だけではないはずです。
だからこそ、MUR013GZが「止まらなかった」ときの驚きは、本物でした。
マキタ40Vmax MUR013GZ、現場で使ってわかったこと
アスパラの残渣を前にして、40Vmaxは止まらなかった
アスパラガスを育てている方には伝わると思いますが、収穫が終わったあとの茎(残渣)は本当に太くて硬い。直径2cmを超えるものもざらにあります。
これを刈払機で処理しようとすると、18V機では正直、厳しいです。回転が落ち込み、無理をすれば機械への負荷も大きくなる。14〜15年前のバッテリートリマーの記憶もあって、「バッテリー機でアスパラの残渣は無理」と決めつけていました。
MUR013GZを持ち出して、アスパラのハウスに入ったとき、半信半疑でした。
刃を当てました。回転は、落ちませんでした。
ゴリゴリと音はしますが、機械は前に進み続けました。太い茎を相手にしても、回転数が維持される。これは18Vには出せない感覚です。ボルト数の差が、現場でこれほどはっきり出るのかと、改めて驚きました。
「振動が減る」は、想像以上に体に効く話です
バッテリー工具の話をすると、パワーの話ばかりになりがちです。でも私が40Vmaxを使い続けている理由のもうひとつが、振動の少なさです。
エンジン式の刈払機は、使い始めから常に振動が手に伝わってきます。最初の30分は気になりませんが、1時間を超えてくると手がしびれ始め、握力が落ちてくる。農家なら全員わかる感覚だと思います。午後の作業になると、それが集中力の低下にもつながります。
MUR013GZに8.0Ahバッテリー(BL4080H)を組み合わせたとき、正直バッテリー自体の重さには驚きました。でも、作業を終えたあとの手の状態が、エンジン機のときとまったく違う。1時間作業しても、握力が残っています。
振動で体力を奪われないというのは、長い農繁期を乗り越える上で、じわじわと効いてきます。翌日の疲労感も、明らかに変わりました。
18Vと40Vmax、私なりの使い分け
18Vを否定しているわけではありません
誤解してほしくないのですが、18Vが劣っているとは思っていません。
18Vバッテリーのよさは、対応する機械の種類が多く、本体が軽く、取り回しがいいことです。私の農場では噴霧器やライトなど、軽作業の道具は18Vで揃えています。機動力が必要な場面では、18Vの方が圧倒的に使いやすい。
本気の草刈りには、40Vmaxを選ぶ理由があります
一方、40Vmaxを選ぶ場面は、はっきりしています。本気の草刈り、太い残渣の処理、長時間の連続作業。8.0Ahバッテリーなら稼働時間も長く、広い圃場を一気に片付けることができます。
「軽作業は18V、本気の作業は40Vmax」という棲み分けが、私の農場ではうまく機能しています。どちらか一方があれば十分ということではなく、用途によって使い分けることが、作業効率を上げる一番の近道だと感じています。
「バッテリーは使えない」と思っている農家仲間へ
14〜15年前の私と同じように、「バッテリー工具は非力で使えない」と思っている農家の方が、まだたくさんいると感じています。当時の経験があれば、そう思うのは当然です。
でも今は、技術が変わっています。
40Vmaxシリーズは、かつての「バッテリー工具のイメージ」とは別物です。パワーも、稼働時間も、振動の少なさも、私が10年以上使ってきたエンジン機と正面から比べられるレベルに来ています。
除草剤を撒くたびに「早く他の機械もバッテリーになってほしい」と思い続けていた農家が、ようやく本物に出会えました。
このブログでは、私が実際に畑で使って感じたことを、そのまま書いていきます。スペック表には書いていないこと、カタログには載っていないことを、現場から発信し続けます。

